ストーカーくんのこと2
やはりどうしても気になって日記を見てしまった。彼はまだ「私を救う」という幻想にとりつかれているらしい。巣食うでもいいかもしれないけど。とにかく彼はそう思っている。そして誰かを経由してメッセージを送っているみたいだ。それらしきものはきたけれど。(そして無視している)彼は幻想の帝国に居住してないと生きてはいけないのかもしれないが、それは私じゃなくてもいいのだろう。クルッテしまって、いる。
私にできるのは、もうこれ以上関わらないことだ。彼の日記も読まず、生きようが死のうが、全く無視して私自身を生きることしかない。
それにしても…疲れた。ダークサイドに陥った人間は、どうしてこうも他者のエネルギーを吸い取っていくのだろうか。そこに非常な憐れみを覚えてしまう。私は偽善者だ。
ようやく
少しだけ体を鍛えようという気になってきた。
体を鍛えて、心も鍛えて。
やることをやって。
あとは、忘れて。
かわいい
かわいくみえる化粧をして、かわいい格好をして、かわいい顔して「かわいいね」といわれたい。あのひとに。
鏡は横にひび割れて
あとは私の死体をあなたがみつけるだけだ。今日、おそらく私は死ぬ。私の魂が死ぬ。いまようやく私がどれだけあなたが好きだったかを知った。私の魂が草臥れて、やがてまた浮かび上ることはあるのだろうか。ひび割れた鏡は元には戻らない。糸が巻き付き、髪は総毛立ち、壊れた。わたし。
ストーカーくんのこと
今でも彼を痛々しく思っている。
さようなら大好きな人(すきなひとのすきだったときのはなし)2
いろいろと書いておきたいけど、「ふられる日」が間近に迫ってくると、彼のことを思い出すのもいやになってくる。正面から向き合うには傷が、深すぎて。だからとりあえずは簡単に。
彼は「俺はどっちをキープとかそういうのができない人間だから、ちゃんと決めて、それで話すから」という返事だった。「(お見合い相手が)いなければ、つきあうのに」と。その日はふたりいい感じで寝て、翌朝もシアワセだった。6月、ほのあたたかいしめった空気、夏がもうすぐくるその予感で、それだけでエネルギーが充填されていくようだった。あたらしく細胞が入れ替わるのがわかるような、そんな朝だった。
最初にする前に彼は「したら俺はオカシクなりそうだ」といっていた。そんなことをいっていた彼をいまはしみじみと懐かしい気持ちで思い出している、わたし。
ときおり体の中心を痛みがつらぬいていく。本当に痛い。明日。あと僅かになった私の恋のいのち。